ピヨのごはんは、しみじみおいしい

午前11時。緑に囲まれた鎌倉のピヨピヨ保育園が、お出汁のいい香りに包まれます。子どもたちが大好きなおひるごはんは、もうまもなく。

 

源氏山への散歩やリズム、水遊びに泥んこに雑巾がけ・・・午前中、めいっぱい動いたらお腹はペコペコ。「調理さーん、今日のご飯なあに?」元気な声が響きます。


食べることは喜び。ピヨピヨ保育園が考える子どもの食事

旬の食材をたっぷりと使った、和食を中心としたピヨピヨ保育園のおひるごはん。瀬戸物の大皿に彩りよく盛り付けられていて、いい香り。子どもでなくても「ああ、食べたい!」と食欲をかきたてられます。目でみて、香りを感じ、調理の音を聞くということ・・・。子どもたちは五感で食事を心待ちにし、楽しみながらお腹を満たします。

 

「給食というより、家庭料理のような食事をこころがけています。魚も積極的に取り入れ、野菜はおひたしや酢の物などさまざまな料理でたっぷりと。副菜として五目豆、切り干し煮、ひじき煮、切り昆布煮など、昔ながらの料理を用意します。味付けも気候に合わせ、暑い時はさっぱりめに、寒い時は身体が温まる献立を工夫しています」と調理の先生。「四季の行事と食文化を楽しみ、旬の食材の本当の味を知ることで、大人になっても”本物”がわかる、豊かな食生活を送って欲しいのです」。

 

素材の味を引き出す丁寧な調理で、薄味なのにおいしく食べられる工夫がされています。乳児はてづかみで。食べる意欲を育てる食事です。

産地のわかる食材を。「安心、安全、おしいい」にこだわる

ピヨピヨ保育園で使用する食材は基本的に国産のもの、遺伝子組み換えやポストハーベストの問題などを考え、極力添加物の入っていないものを選ぶようにしています。化学調味料を使用しないのはもちろん、砂糖は控えめ(使用する時はブラウンシュガー)。おひるごはんは野菜の甘みを味わえるように調理し、おやつも野菜・果物の味わいを楽しめるものに。

 

また、幼児の飲み物は牛乳ではなく、ノンカフェインの有機三年番茶が中心です。カルシウムは、煮干し、青菜、大豆、切り干しなどから摂取できるよう、心がけています。


ピヨのごはん

ふっくら甘いごはん

子どもたちのエネルギーとなる主食のお米は、山形県庄内から取り寄せた減農薬のもの。玄米では乳児には胃に負担がかかり、食べにくいことから、食べやすく、食物繊維やビタミンが豊富な七分づき米です。乳児のごはんはやわらかめに炊き、幼児のごはんはガスで炊きます。

 

ふっくらと甘く炊きあがったごはんは、こどもたちの大好物。各クラスおひつからおかわり自由です。メニューによっては多めに炊いても、すべてをたいらげてしまう日も。

あったかくて、味わい深いおみそ汁

化学調味料に頼らないおいしさの秘密は、ていねいな仕込みと原材料のよさによるもの。削り節専門店から仕入れた宗田の厚削りと、長崎県産の煮干しと、日高昆布を朝一番に水につけて、しばらく置いたものを弱火で煮出します。

 

おみそ汁は具だくさん。季節の食材を3種使用しています。メインになる旬の野菜にわかめ、しめじ、油あげなどをプラスします。夏は塩分補給のため、少し濃い目につくります。

野菜がたくさん食べられる。「炒め蒸し」

野菜の本来の味わいを生かすために、ピヨピヨ保育園では、「コンベクション(蒸し焼きができるオーブンです)」を使用しています。家庭では「蒸し炒め」「炒め蒸し」としておなじみの調理法です。

 

食材に塩、油、少量の水を合わせ、蓋をして強火にかけ、ちょうど良い硬さで日を止めます。ここで塩を使うので、調味料の塩はひかえめに。調理には厚手の鍋、またはフライパンが適しています。油は使わない場合もあります。


ピヨの離乳食

食べたいものから手を伸ばす。自分の手で感触を確かめながら口へ運ぶ。ピヨピヨ保育園の離乳食は、自身の「食べる意欲」を大切にしています。食事の順番もとても大事。まずは大きくて持ちやすい太さにカットした野菜スティックから始め、咀嚼し、唾液が充分に出たら、煮た野菜(人参、玉ねぎ、じゃがいも、葉野菜)、豆腐などの自然の風味のある、薄味のものから食べていきます。さつま芋、かぼちゃなど甘みの強い野菜は、先に食べてしまうと他の野菜を食べなくなってしまうため、離乳食の後のほうに取り入れています。

 

野菜を中心に考えているのは、排出力を高める身体づくりのため。将来、野菜好きになって、野菜をたっぷり食べることで、免疫力の高い健康な体を作って欲しいという願いが込められています。手づかみで食べるため、落としたりこぼしたりしても気にしません。園内では体を使って、たくさん遊ぶので、赤ちゃんでもたくさん食べます。毎日たくさんの量を用意しています。

 

ピヨの離乳食の進め方

ピヨピヨ保育園では、保育の中で「飲み込む力」がつき、「食への興味」がわいたのを確認してから、離乳食を始めます。はじめはすり鉢で、野菜をすって食べさせることもありますが、うらごしや細かく刻むことはしていません。コトコト1時間以上、柔らかく昆布だしで煮た大きめカットの野菜とそのスープを、初期は味付けなしで。子どもの成長に合わせて、塩で薄く味付けをします。身体がしっかり育ってきた赤ちゃんは、飲み込む力が育ち、最初は少しずつだけれど、やがて大きな煮野菜を食べられるようになります。喉に詰まることがないよう、しっかりと保育士が見守っています。

ピヨのおやつ

ピヨピヨ保育園が考える「おやつ」は、3度の食事を栄養的に補い、健康で元気な体づくりをサポートするもの。甘いお菓子ではなく、「じゃがもち」「おにぎり」などお腹にたまる手作りのものと、「塩もみ」「煮野菜」「和え物」などの野菜もしくは旬の果物をセットにします。

ひな祭りや端午の節句、お月見といった季節の行事にちなんだおやつも人気です。おやつの中でも食文化を楽しむことを大切にしています。